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長男の遺産相続について

2020/07/09

相続の際には長男にだけ遺産を残したいというご相談を受けることもあります。
そのようなことは可能なのでしょうか。他の兄弟とのトラブルは避けられるでしょうか。
以下、長男だけが遺産を相続する場合の基礎知識や注意してほしい点などを紹介していきたいと思います。
▼長男に相続させる場合
昔は原則として長男がすべての遺産を相続する家督相続という制度でしたが、現在は法定相続人になる人すべてが法定の割合に従って相続するのが原則となっています。
この原則を修正する方法として、以下の4つがあげられます。


・遺産分割協議によって長男がすべての遺産を取得することにする
遺産分割協議は、法定相続人全員で話し合い、全員がその内容に納得して同意すれば成立します。
ですが、法定相続人全員がこのような処理に納得してくれるということはあまり期待できず、もめてしまうケースが多いのも事実です。

 

・長男にすべての遺産を相続させるという内容の遺言がある
このような場合、遺言が有効なものであれば、長男がすべての遺産をひとり占めできることになるのですが、他の相続人が遺留分を主張すると、長男が他の相続人にいくらか支払いをしなければならなくなる可能性があります。

遺留分というのは、一定の範囲の法定相続人に認められる最小限度の遺産の取り分のことをいいます。
遺留分を主張するかどうかは、遺留分を侵害された相続人の自由ですから、必ず問題になるとは限りませんが、主張されたら遺留分を侵害した分だけの支払いが必要になります(生前贈与などを考慮すると結局遺留分侵害はないという結論になることもあり得ます。侵害がないのであればもちろん支払いの必要はありません)。


・他の相続人が相続放棄をする
相続放棄をした人は、もともと相続人ではなかったことになりますので、長男を除く法定相続人全員が相続放棄をすると、長男だけが相続人となり、すべての遺産を相続することになります。

相続放棄をするためには、被相続人が亡くなって相続が開始したことを知ったときから3か月以内に、相続放棄をする本人が家庭裁判所に申立てを行うことになります。

▼相続する際の注意点
すでに見てきたように、長男だけが遺産を相続できるようにするためには、たいていの場合、他の相続人全員の同意を得ることが必要になってきます。

長男なんだから当然だ、という態度で臨んだらおそらく納得はより得にくくなるでしょう。
全員から同意を得られなければ原則無理なことなのだということをよく自覚し、慎重に交渉するべきです。また、無理ならば潔く諦めるということも大事です。

ひとり占めにこだわっていると、他の相続人は調停、審判と手続を進めていくほかなくなり、感情的対立がどんどん深まってしまうおそれがあります。